①運転者の心得【運転免許学科試験対策】

自動車を運転するということは、自分と同乗者だけでなく、歩行者や他の車のドライバーなど、多くの人の命に関わる責任を負うということです。この単元では、運転免許の学科教習でも最初に習う「運転者としての基本姿勢」と、道路交通法で定められた代表的な義務について学びます。

安全運転の義務(道路交通法第70条)

道路交通法第70条は、すべての運転者に対して次のように定めています。

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

これは「安全運転義務」と呼ばれ、信号無視や速度超過のように個別の条文がある違反とは別に、具体的にどの条文にも当てはまらない危険な運転を幅広くカバーするための規定です。「法律の条文に書かれていないから問題ない」という考え方は通用しません。

具体的には脇見運転、急ハンドル、他人に迷惑をかける運転などが危険な運転と判断されます。

飲酒運転の禁止(道路交通法第65条)

第65条第1項は「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定めています。飲酒運転には、程度によって次の2種類があります。

  • 酒気帯び運転:身体に一定基準以上のアルコールを保有する状態での運転。基準は呼気1リットルにつきアルコール0.15ミリグラム以上です。
  • 酒酔い運転:「酒に酔った状態」での運転。身体に呼気1リットルにつきアルコール0.5ミリグラム以上(血液1ミリリットルにつき1.0ミリグラム以上)を保有する状態のほか、数値に達していなくても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態が含まれます(道路交通法第117条の2第1項第1号)。

第65条は運転者本人だけでなく、酒気を帯びた人に車を貸すこと(第2項)、運転するおそれがある人に酒をすすめること(第3項)、酒気を帯びた運転者の車に同乗を依頼・要求すること(第4項)も禁止しています。

飲酒運転は「運転した人」だけの問題ではなく、周囲の人の行為も罰則の対象になります。

最新情報(2026年7月21日施行):飲酒運転について、数値の基準が法律に明記されました。

道路交通法第117条の2第1項第1号の「酒に酔った状態」に、呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上、血液1ミリリットルにつき1.0ミリグラム以上の場合が含まれることになりました。自動車運転死傷処罰法(危険運転致死傷罪)にも、同じ数値の基準が設けられています。

一方、「酒気帯び運転」の基準(呼気0.15ミリグラム以上、道路交通法施行令第44条の3)は変わっていません。数値の面では、0.15以上0.5未満が酒気帯び運転、0.5以上は酒酔い運転に当たります。ただし、0.5未満でも正常な運転ができないおそれがある状態なら酒酔い運転です。

過労運転等の禁止(道路交通法第66条)

第66条は「何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と定めています。

睡眠不足のまま長距離を運転したり、体調不良のまま運転したりすることも、法律違反になり得ます。

運転中の携帯電話使用等の禁止(道路交通法第71条第5号の5)

いわゆる「ながら運転」について、道路交通法は次のように定めています。

運転中に携帯電話・スマートフォンを通話のために使用したり、画面に表示された画像を注視したりすることは禁止されています。

傷病者の救護や公共の安全を守るためにやむを得ず行う場合は例外とされていますが、それ以外の使用は認められません。

シートベルト・チャイルドシートの着用義務(道路交通法第71条の3)

自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転してはならない。

運転者自身がシートベルトを着用していれば問題ない、というわけではありません。同乗者がシートベルトを着用していない場合も、運転者が違反に問われます(適切に装着できない幼児など、政令で定めるやむを得ない理由がある場合は例外)。

自動車の運転者は、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。

6歳未満の幼児を乗せる場合は、チャイルドシートなどの幼児用補助装置を使用しなければなりません。疾病など政令で定める理由がある場合は例外です。

条文の正確な原文(但し書きを含む全文)は条文データベースで確認できます。

この単元のポイント

  • 安全運転義務(70条)は、個別の違反に当てはまらない危険な運転全般をカバーする包括的な規定
  • 酒気帯び運転=呼気0.15mg/L以上、酒酔い運転=呼気0.5mg/L以上、または数値に達していなくても正常な運転ができないおそれがある状態
  • 飲酒運転は、運転した本人以外(車を貸した人、酒をすすめた人、同乗を依頼した人)も罰則の対象になる
  • 過労・病気・薬物の影響で正常な運転ができないおそれがある状態での運転も禁止
  • 運転中の携帯電話の通話・画面注視は原則禁止
  • 運転者・同乗者ともにシートベルト着用が必要。6歳未満はチャイルドシート必須

次の「確認テスト」で、この単元の内容がしっかり理解できているか確認してみましょう。

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