③標識・標示【運転免許学科試験対策】
信号と並んで道路交通の基本となるのが「標識・標示」です。この単元では、道路標識と道路標示の定義、そしてそれに従う義務、学科試験で特によく問われる規制標識の内容を学びます。
道路標識・道路標示の定義
道路標識 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示板をいう。
道路標示 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲(びよう)、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう。
「標示板」が道路標識、「路面に描かれた線や記号」が道路標示です。どちらも道路交通法第2条で定義されており、法的な効力に違いはありません。標識は大きく分けて「案内標識」「警戒標識」「規制標識」「指示標識」の4種類がありますが、学科試験で特に重要なのは、通行の禁止や制限を示す「規制標識」です。
標識・標示に従う義務
歩行者等又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。
道路標識等によって通行が禁止されている場所は、歩行者であっても車両であっても通行してはいけません。標識は単なる案内ではなく、法律上の強制力を持つ規制そのものです。
主な規制標識とその根拠条文
最高速度
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
標識で最高速度が指定されている道路ではその速度を、指定がない道路では政令で定められた速度を超えてはいけません。「最高速度」の標識がない道路でも、法定速度は存在します。
徐行
車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
「徐行」の標識がある場所だけでなく、左右の見通しがきかない交差点(交通整理が行われておらず優先道路でもない場合)や、道路の曲がり角付近・上り坂の頂上付近・勾配の急な下り坂でも徐行が義務付けられています。具体的には標識のない見通しの悪い交差点や急な下り坂などが徐行の対象となります。
指定場所における一時停止
車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
「一時停止」の標識がある場所では、停止線(なければ交差点の直前)で必ず一時停止しなければなりません。一時停止した後であっても、交差道路を通行する車両等の進行を妨げてはいけません。「止まればよい」のではなく、「安全を確認してから進む」ことが求められます。
追越し禁止
車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
「追越し禁止」の標識がある場所以外にも、道路の曲がり角付近・上り坂の頂上付近・勾配の急な下り坂・トンネル(車両通行帯のないもの)・交差点や踏切・横断歩道・自転車横断帯とその手前30メートル以内では、標識がなくても追い越しが禁止されています。具体的には見通しの悪いカーブや交差点の手前が追い越し禁止の対象となります。
駐停車禁止・駐車禁止
車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
「駐停車禁止」は停車も駐車もできませんが、「駐車禁止」は駐車のみが禁止され、停車(5分以内の荷物の積み下ろしや人の乗り降りなど)は可能です。この二つの標識の違いは学科試験で頻出のポイントです。
車両進入禁止
道路法第四十六条第一項の規定に基づき、又は交通法第八条第一項の道路標識により、道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止される道路において、車両がその禁止される方向に向かつて進入することを禁止すること。
「車両進入禁止」は、一方通行路の出口など、特定の方向からの進入そのものを禁止する標識です。一方通行の標識とセットで設置されることが多く、逆走を防ぐためのものです。
補足:規制標識の正式な形状・色・番号は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」という別の法令(命令)で細かく定められています。この単元で扱った標識はそのごく一部です。条文の全文は条文データベースで確認できます。
この単元のポイント
- 道路標識=標示板、道路標示=路面に描かれた線や記号。どちらも法的効力は同じ
- 標識等で通行が禁止された場所は、歩行者も車両も通行できない
- 徐行・追越し禁止は、標識がなくても見通しの悪い交差点やカーブ・坂など一定の場所で自動的に義務付けられる
- 一時停止は、停止線(なければ交差点の直前)で停止し、交差道路の車両等の進行妨害もしてはならない
- 駐停車禁止=停車も駐車も不可、駐車禁止=駐車のみ不可(停車は可)
次の「確認テスト」で、この単元の内容がしっかり理解できているか確認してみましょう。
