⑤緊急自動車の優先・安全な速度と車間距離【運転免許学科試験対策】
この単元では、緊急自動車が近づいてきたときの対応と、速度・車間距離・進路変更など、安全に走るための基本ルールを学びます。数字(最高速度)が多く出てきますが、条文(政令)の数字をそのまま確認しながら覚えましょう。
最高速度
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
最高速度の標識がある道路ではその速度が、標識のない道路では政令で定める最高速度が上限です。標識がないからといって、速度に制限がないわけではありません。
標識のない一般道路の最高速度は、道路交通法施行令第11条が次のように定めています。
法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。第一号イ及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路(以下この条及び次条において「一般道路」という。)を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては次の各号に掲げる一般道路の区分に応じ当該各号に定める速度、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。
次に掲げる一般道路 六十キロメートル毎時
イ 高速自動車国道のうち、本線車道並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外のもの
ロ 自動車専用道路
ハ 道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている一般道路
ニ 道路の構造上又は柵その他の内閣府令で定める工作物により自動車の通行が往復の方向別に分離されている一般道路
前号に掲げる一般道路以外の一般道路 三十キロメートル毎時
自動車は、中央線や車両通行帯がある一般道路などでは時速60キロメートル、それ以外の一般道路では時速30キロメートルです。原動機付自転車は、一般道路では時速30キロメートルです。
最新情報(2026年9月1日施行):標識のない一般道路のうち、中央線・車両通行帯・往復の分離のいずれもない道路(いわゆる生活道路)の自動車の最高速度は、時速30キロメートルです。上の施行令第11条第2号が現行の規定です。
高速自動車国道の本線車道(高速道路)の最高速度は、車の種類ごとに施行令第27条が定めています。
次に掲げる自動車 百キロメートル毎時
イ 大型自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。次号において同じ。)のうち専ら人を運搬する構造のもの
ロ 中型自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。次号において同じ。)のうち、専ら人を運搬する構造のもの又は車両総重量が八千キログラム未満、最大積載重量が五千キログラム未満及び乗車定員が十人以下のもの
ハ 準中型自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。)
ニ 普通自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。)
ホ 大型自動二輪車
ヘ 普通自動二輪車
大型自動車のうち前号イに掲げるもの以外のもの及び中型自動車のうち同号ロに掲げるもの以外のもの 九十キロメートル毎時
普通自動車(けん引している場合などを除く)は時速100キロメートル、大型貨物自動車などは時速90キロメートルです。
急ブレーキの禁止と車間距離
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
危険を防止するためやむを得ない場合を除き、急ブレーキをかけてはいけません。後続車の追突の原因になるためです。
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
前の車が急に止まっても追突しないで済む距離を、あらかじめ保っておく義務があります。速度が高いほど、必要な車間距離は長くなります。
進路の変更
車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
進路変更は「みだりに」してはいけません。また、変更後の進路を後ろから来る車の速度や方向を急に変えさせるおそれがあるときは、進路変更そのものが禁止されます。合図をすれば許される、という規定ではありません。
追いつかれたときの義務
車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
後ろから、最高速度が高い車に追いつかれたときは、追い越しが終わるまで速度を上げてはいけません。追い越しをする車が安全に追い越せるようにするためです。
緊急自動車の優先
緊急自動車とは、消防自動車や救急自動車など、緊急用務のために運転中の自動車をいいます。緊急自動車は、他の車に優先して通行できます。
緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。
緊急自動車が近づいてきたときは、場所によって対応が異なります。
交差点とその付近
交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
交差点の中を避け、道路の左側に寄って一時停止します。一方通行の道路で、左に寄ると緊急自動車の通行の妨げになるときは、右側に寄ります。
交差点以外の場所
前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
道路の左側に寄って、進路を譲ります。この場合は一時停止までは義務付けられていません。
なお、緊急自動車が一般道路を通行する場合の最高速度は、施行令第12条第3項で定められています。
法第三十九条第一項の緊急自動車が一般道路を通行する場合の最高速度は、前条及び前二項の規定にかかわらず、八十キロメートル毎時とする。
この単元のポイント
- 最高速度の標識がなくても、政令で定める最高速度の制限がある
- 標識のない一般道路で、自動車は、中央線・車両通行帯・往復の分離がある道路は時速60キロメートル、それ以外は時速30キロメートル(2026年9月1日施行)。原動機付自転車は時速30キロメートル
- 高速自動車国道の本線車道では、普通自動車は時速100キロメートル、大型貨物自動車などは時速90キロメートル
- 危険を防止するためやむを得ない場合を除き、急ブレーキは禁止。前の車が急に止まっても追突しない車間距離を保つ
- 進路変更は、みだりにしない。後続車の速度や方向を急に変えさせるおそれがあるときは禁止
- 最高速度の高い車に追いつかれたら、追い越しが終わるまで速度を上げない
- 緊急自動車が近づいたら、交差点やその付近では交差点を避けて左(一方通行で支障があれば右)に寄り一時停止。それ以外の場所では左に寄って進路を譲る
- 緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合でも停止する必要がない(他の交通に注意して徐行する)
条文の全文は条文データベースで確認できます。
次の「確認テスト」で、この単元の内容がしっかり理解できているか確認してみましょう。
