ミツバチのダンスが仲間に伝える情報

トリビアヤマネコ
トリ先生、ミツバチが8の字みたいにクネクネ踊るやつ、あれ何しとるん?

トリ先生
ああ、あれは「8の字ダンス」と呼ばれる、立派なコミュニケーション行動だよ。
ダンスの向きが「太陽から見た方角」を示す

トリ先生
密源(花の蜜がある場所)を見つけた働きバチが巣に戻ると、巣板の上で8の字を描くように動く。このとき、8の字の中央を貫く直線の向きが、太陽の位置を基準にした密源の方角を表してるんだ。

トリビアヤマネコ
え、地図も文字も使わんと方角伝えとるんか。

トリ先生
そう。巣の中は真っ暗で太陽は見えないけど、ハチは重力方向を基準に「太陽からの角度」を体の向きに変換して踊る。これを見た仲間のハチが、その角度をそのまま実際の太陽方向に置き換えて飛んでいくんだよ。
ダンスの速さが「距離」を示す

トリ先生
方角だけじゃない。8の字を描く速さ——正確には直線部分を進む時間の長さが、密源までの距離を表してる。近ければ速く小刻みに、遠ければゆっくり大きく踊るんだ。

トリビアヤマネコ
方角と距離、両方一つの踊りで伝えとるんか。すごいな。

トリ先生
この発見をした動物学者カール・フォン・フリッシュは、この研究で1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞してる。昆虫の行動研究としては異例の栄誉だよ。
仲間はダンスを「触角」で読み取っている
- 暗い巣の中では視覚に頼れないため、仲間は触角でダンスの振動やリズムを感じ取る
- ダンスと同時に、蜜のサンプルの匂いも仲間に伝える(花の種類の特定に役立つ)
- 密源の質が良いほど、ダンスがより長く・激しくなる傾向がある

トリビアヤマネコ
ハチって、言葉なしでもえらい高度なやりとりしとるんやな。

トリ先生
その通り。8の字ダンスは、言葉を持たない昆虫が編み出した、方角・距離・質を同時に伝える見事な情報伝達システムなんだよ。
